変なヤツは付き合っていてあんまり飽きないという事に気が付いた16歳の冬。












「ああ〜ん!もみじ大好きよ〜〜〜〜!!」


「ぐえ」


飛びつかれ首に回された高校球児らしい鍛えられた逞しい腕に命の危機を感じる。
そもそもきっとコイツは加減というものを知らないのだ。
幼いころから繰り返された行動にもう怒る気すら失せ始めていた。


「痛いから・・・・」


赤くなった頬に気が付かれないようわざと不機嫌な声色でぼそりと呟くと紅印は慌てたように手を離した。


「あら、ごめんね・・・あたしったら加減をしらないから」
嫌だわぁとか言いながら頬に手を当てる仕草に思わず笑みが漏れた。



ああ、コイツも変わったんだなぁと思う。
昔は力なんてオレの方がずっとずっと強かったのに。
『男性』という存在に必要以上に強い憧れを持っていたオレにとっては段々と成長して
男らしくなっていくこいつが羨ましくて、段々と女らしくなっていく自分の身体が恨めしくてしょうがなかった。




大きな胸も、月に一回の生理も嫌で嫌でしょうがなくて苦しかった。







でも今、愛されているという事で女で良かったと思っているんだから自分もつくづく単純なんだなぁと思う。







素直すぎる愛情表現にも慣れはじめて最近は嬉しいなぁとも思っているのだ。
普通の高校生カップルとはちょっと違う気もするけど別にいいかな。







「何笑ってるのよ、もみじ」


不思議そうに顔を覗き込んでくる表情とかは昔から変わっていないのに。
変わったのは身長差とお互いに抱く気持ちくらいか。






「なんでもねーよ」


「あら!あたしともみじの間に隠し事なんてなしでしょー!!」


泣きながら(多分嘘泣き)オレの肩を掴みガクガク揺すってくるコイツには学習能力がないと悟った瞬間だった。








こいつがただの幼馴染から恋人へ変わったのはいつからだったろうか。


紅印はどうだったかは知らないけど多分オレが自分の気持ちに気が付いたのは、初めて離れた時。
遠くの私立中学の寮に入ると家を出た時、どれだけ自分が紅印を大切にしていたか解った。
そしてあれから五年が経ったけど晴れて恋人になれて、自分てなんて幸運なんだろうと思う。




初恋がそのまま叶って現実になった。
世の中にはいくら切なく想ったって叶わない恋の方が多いっていうのに。
まったく恋愛経験ゼロの自分がこうして幾何学的な確立を跳ね飛ばして幸せを手にいれているんだから。









うざったいなぁって思ったり。


もの凄いムカついてみたり。


ふとした瞬間にわぁ好きだーって思ってみたり。





色んな事があるけれどやっぱり手放せない。
ちなみに今思っているのは三番目。







背伸びをして始めての自分からのキス。
目の前の顔に広がっていく驚きに心の中でほくそ笑む。




「も、・・・・・もみじ・・・・!?」


「たまにはサビースサービス」


でもコイツの方が一枚上手。


「じゃあ今からウチに来て続きもサービスしてちょうだい!」


紅印よりは大分軽い身体を軽々と抱き上げられて思わず声を上げた。


「おわぁ!!何すんだよ!下ろせってばーーーーー!!!」
広い背中を叩いて抗議してみてもあまり意味なんてないのだろう。






「年上は敬いなさい」


明らかに正しくないような諭し方に素直に黙ってしまうのはきっと期待してしまっているから。






「責任取れよな」


「期待してなさい」












ある晴れた日。


十年前も手を繋いで遊んだ公園の前。


今日も手を繋いで歩いています。








十年後もこうしていようね、大好きな君








 ウキャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
 春町様より又してもステキ小説頂いちゃいましたよ奥さん!!(誰?)
 まだ11月なのにクリスマスサンタもみじタン&トナカイ神鷹タンというありえない
 カップリングのイラを無理矢理送りつけた代わりに、こんな素敵な小説頂いて、
 なんか私天罰とかくらっちゃいますか?
 最近私の中でブレイク中な紅印×もみじたんv
 オリジナルで幼馴染みという設定ですが、うお〜かわいいv
 心はお姉さんな男と漢らしい女の子ってチグハグなんだけどそこがまた萌えます!
 アア、もうホンマにこいつら可愛過ぎ!!!(鼻血)
 ちなみに今週号のジャンプでコマが並んでるだけでハァハァしてました(笑)
 姫タンいつもメールで萌妄想話おつき合いしていただき有難うございますm(__)m
 もう私足向けて眠れない人多過ぎですわ。体育座りで寝ろって事ですか?そうですか。

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